スキーム解説

地域DAOとは

地域DAOとは、地域外の人も含むメンバーがトークンやNFTを持ち、オンライン投票などで地域プロジェクトの意思決定や資金の使い道を一緒に決める組織のことです。

最終更新: 2026-10-17|別名: DAO・合同会社型DAO・分散型自律組織・自律分散型組織・株式会社型DAO・デジタル村民・Web3 地方創生

2024年4月22日に金融庁の内閣府令改正が施行され、日本の「合同会社」の器でDAOをつくりやすくなりました(合同会社型DAO)。国の地方創生2.0基本構想(2025年6月13日閣議決定)も「ブロックチェーンやNFT、DAO(分散型自律組織)等の新たなデジタル技術」の活用を明記しています。2026年9月30日の総務省資料では、ふるさと住民登録制度のモデル団体である広島県三原市が、DAOメンバーの現場レポートを発信に使うことを検討中とされ、関係人口の新しい仕組みとして広がりつつあります。

制度の根拠

根拠金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(あわせて金融商品取引法等ガイドラインも改正)
所管金融庁(企画市場局)
開始2024年4月1日公布、2024年4月22日施行・適用(案の公表は2024年2月1日)
改正の中身トークン化された合同会社等の社員権のうち、「業務執行社員保有」型または「(出資額を超える)収益不分配」型にあたるものは、金商法上、通常の合同会社の社員権と同じ規制になります。金融庁は「分散型自律組織の在り方について規律することを目的とするものではない」と回答しています。
DAO専用の法律2026年10月時点で、DAOそのものを定める法律は確認できていません。合同会社などの既存の法人形態を使います。
政府方針デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023改訂版、2023年12月26日閣議決定)でWeb3.0に取り組む自治体向けの相談窓口を設置。地方創生2.0基本構想(2025年6月13日閣議決定)でDAO等の活用を明記。
自治体ガイドライン群馬県「DAOガイドライン」(2024年3月27日更新)。法人格、Snapshot等での投票、権力集中の回避などを示しています。

最新の数字

山古志のデジタル住民(電子住民票NFT)延べ850人(令和3年度の2回の発行)
令和4年11月時点(総務省公表) |出典
山古志 地域のNFT保有率1.67%
令和4年11月時点(総務省公表) |出典
山古志 令和3年度の交付金活用額9,830千円
令和4年11月時点(総務省公表) |出典
山古志のデジタル村民1,600人超(報道)
2023年9月28日時点(Forbes JAPAN報道) |出典
自民党DAOルール形成ハッカソンの参加21社・団体、課題・要望100件超
2023年末時点(自民党 2024年1月25日公表) |出典

代表的な事例

地域の土地・宿・運営者にとっての意味

宿・古民家・遊休地を、地域外の出資者や参加者が意思決定に加わるプロジェクトに変えられる器です。収益を分配しない型なら、規制の負担を抑えたまま関係人口から資金と労力を集められます。配当をする設計では金商法上の扱いが重くなるので、事前に専門家へ確認してください。

このスキームに関わる仲間

よくある質問

合同会社型DAOはいつから作れますか?

金融庁の内閣府令改正が2024年4月22日に施行され、トークン化した合同会社の社員権を、一定の条件で通常の社員権と同じ扱いにできるようになりました。

DAOのトークンは有価証券になりますか?

合同会社の社員権は、もともと金商法上の有価証券(みなし有価証券)です。改正後は「業務執行社員保有」型か「収益不分配」型であれば、通常の社員権と同じ規制になります。個別の案件は専門家に確認してください。

DAOで配当(収益分配)はできますか?

配当をする設計では、金商法上の扱いが重くなります。収益分配がある場合の匿名性なども未解決の論点とされています(報道)。設計の前に専門家へ確認してください。

「DAO法」はありますか?

2026年10月時点で、DAO専用の法律は確認できていません。現状は合同会社などの既存の法人形態を使います。

自治体がDAOを作れますか?

自治体がDAOの法人そのものになった例は確認できていません。多くはまちづくり会社・財団・任意団体などが運営し、自治体は連携や助言をする形です(三原市・海士町・山古志など)。

国の補助金は使えますか?

山古志は総務省の過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業を、三原市・海士町は経産省の実証事業を活用しました。DAO専用の恒常的な補助制度は確認できていません。

会計や税金の扱いはどうなりますか?

会計・税務は、合同会社以外の法人形態の扱いとあわせて、未解決の論点とされています(報道)。税理士などの専門家に確認してください。

地域DAOの事例はありますか?

新潟県長岡市の山古志(Nishikigoi NFTの電子住民票)、広島県三原市の「まちづクルーDAO」、島根県海士町の実証、佐渡の古民家を共同所有するPlanetDAO、群馬県の「ぐんま山育DAO」などがあります。

地域にとってのメリットは何ですか?

地域外の人が投票や出資で地域のプロジェクトに加わるので、関係人口から資金と労力を集めやすくなります。山古志では延べ850人のデジタル住民が生まれました(令和4年11月時点・総務省資料)。

関連するスキーム

出典

  1. 金融庁「定義府令改正案の公表」 (2024-02-01)
  2. 金融庁「パブリックコメントの結果等」(施行2024-04-22) (2024-04-01)
  3. 金融庁「コメントの概要及び金融庁の考え方」 (2024-04-01)
  4. 自民党「『合同会社型DAO』の実現へ」 (2024-01-25)
  5. 内閣官房 デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023改訂版) (2023-12-26)
  6. 内閣官房 地方創生2.0基本構想 (2025-06-13)
  7. 総務省「仮想山古志村プロジェクト」 (2022-11-01)
  8. 三原市「まちづくり三原が挑戦する、経産省DAO実証プロジェクトを支援!」 (2024-11-18)
  9. 群馬県「DAOガイドライン」 (2024-03-27)
  10. 総務省 ふるさと住民登録制度 第2回全国説明会資料 (2026-09-30)
  11. 群馬県 ぐんま山育DAO 発表 (2025-02-04)
  12. ガイアックス PlanetDAO 佐渡 北條家住宅 (2025-10-17)
  13. 【報道】Forbes JAPAN 山古志DAO (2023-09-28)
  14. 【報道】CoinPost 合同会社型DAO (2026-10-17)
  15. 岡山大学 海士町・三原市DAO (2026-10-17)