地域づくりのしくみ
観光地域づくり法人(DMO)とは

観光地域づくり法人(DMO)とは、自治体や地域の事業者と連携し、データに基づく戦略づくりと合意形成を担って、地域の「稼ぐ力」を引き出す観光地域づくりの司令塔となる法人で、観光庁のガイドラインの要件を満たすと「登録DMO」として登録されます。
最終更新: 2026-10-18|別名: DMO・登録DMO・候補DMO・日本版DMO・観光地域づくり法人・Destination Management/Marketing Organization・広域連携DMO・地域DMO・先駆的DMO
2026年9月1日時点の登録DMOは322法人(広域連携DMO10・都道府県DMO38・地域DMO274)、候補DMOは21法人です。観光庁は2025年3月のガイドライン改正(同年10月施行)で、質の高いDMOを育てるため更新登録(3年ごと)の要件を追加・厳格化し、2026年7月24日にも記載を明確にする一部改正を行いました(8月1日施行)。「世界的なDMO」の候補として、2025年度までに計11法人を「先駆的DMO」に選んでいます。
制度の根拠
| 根拠 | 観光庁長官が定める「観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドライン」(2015年11月18日、2026年7月24日に8回目の一部改正)。DMOそのものを定める法律はなく、法律に基づく許認可ではありません。 |
|---|---|
| 所管 | 国土交通省 観光庁 |
| 開始 | 2015年11月18日(「日本版DMO」候補法人の登録制度として開始) |
| 区分 | 広域連携DMO(地方ブロック単位)、都道府県DMO(1つの都道府県全域)、地域DMO(1つまたは複数の市区町村)の3つ。要件を満たす前段階として「候補DMO」の登録もあります。 |
| 登録要件 | ①観光地経営戦略の策定とデータの収集・分析、②戦略に基づく取組の実施と改善(PDCA)、③多様な関係者との体制づくりと合意形成、④組織の確立と強化、⑤安定的な財源の確保、の5つの観点。新規登録には申請前12か月以上の活動実績が必要です。 |
| 必須の指標と体制 | KGIとして旅行消費額、KPIとして1人当たり旅行消費額・延べ宿泊者数・来訪者満足度・住民満足度などを設定します(広域連携DMO・都道府県DMOは一部適用外)。CMOとCFOを各1名以上、常勤職員を3名以上置く必要があります。 |
| 有効期間と取消 | 登録の有効期間は3年で、更新登録が必要です。更新要件を満たさない、年度報告を出さない、指導後も改善が見られないといった場合、登録は取り消されます。 |
| 2020年の厳格化 | 2020年4月15日のガイドライン改正で、名称を「日本版DMO」から「登録DMO(観光地域づくり法人)」に変え、登録申請前の法人格取得、CFOの設置、3年ごとの更新登録制などを導入しました(報道)。 |
最新の数字
| 登録DMO | 322法人(広域連携DMO10、都道府県DMO38、地域DMO274。北海道と沖縄県は広域連携DMOが都道府県DMOを兼ねます) 2026年9月1日時点(観光庁 2026年9月8日掲載) |出典 |
|---|---|
| 候補DMO | 21法人 2026年9月1日時点(観光庁 2026年9月8日掲載) |出典 |
| 登録DMO・候補DMOの推移 | 2022年10月28日 登録255・候補65 → 2024年9月24日 登録312・候補35 → 2026年9月1日 登録322・候補21 観光庁の各時点の公表 |出典 |
| 2026年3月の更新登録 | 26法人の登録を更新 2026年4月1日時点(観光庁) |出典 |
| 先駆的DMO | 計11法人(2022年度3、2024年度1、2025年度7) 2025年10月16日時点(観光庁) |出典 |
| 田辺市熊野ツーリズムビューローの収入総額 | 977,842千円(うち収益事業収入883,518千円)、職員24人 2023年度(観光庁「先駆的DMO」取組紹介) |出典 |
| 国の旧KPI「世界水準DMOの設立数」 | 2020年目標100(2019年1月時点で現在値の記載なし) 2019年1月28日(まち・ひと・しごと創生総合戦略KPI検証資料) |出典 |
代表的な事例
- 和歌山県田辺市(一般社団法人田辺市熊野ツーリズムビューロー) 2022
2006年設立。熊野古道沿いに集中していた観光客を市街地へ呼び込むため、2022年から「SHIOGORIプロジェクト」を始め、旅行会社15社への聞き取りをもとに市街地の飲食店街のガイドブックを作りました。2023年3月に観光庁の「先駆的DMO」に選ばれています。2023年度の収入の約9割は収益事業です。 出典 - 北海道倶知安町(倶知安町・一般社団法人倶知安観光協会) 2025
倶知安町は宿泊税(法定外目的税)を課しており、2025年7月31日に総務大臣が税率を宿泊料金の3%とする変更に同意しました(条例は2026年4月1日施行予定とされた。平年度の収入見込み約7.5億円)。使途は「世界に誇れるリゾート地」を目指す観光振興です。倶知安観光協会は2025年10月に先駆的DMOに選ばれました。 出典 - 京都府京都市(公益社団法人京都市観光協会) 2022
1960年設立。2022年度選定の先駆的DMOで、ブランディングの再整理や、観光事業者の持続可能な経営に向けた診断・改善支援に取り組んでいます。2023年度の職員は91人、収入総額は1,411,431千円です。 出典 - 岐阜県下呂市(一般社団法人下呂温泉観光協会) 2022
1946年設立。2022年度選定の先駆的DMO(Bタイプ)で、データに基づく戦略・計画づくりと、市民に観光への理解を広げるツールの制作・配布に取り組んでいます。2023年度の職員は12人、収入総額は282,072千円です。 出典 - 長野県白馬村(一般社団法人白馬村観光局) 2024
2024年10月に先駆的DMOに新たに選ばれ、観光庁の伴走支援を受けています。2025年度には、せとうち観光推進機構や秩父地域おもてなし観光公社など7法人が加わりました。 出典
地域の土地・宿・運営者にとっての意味
DMOは、観光協会のようなPRだけでなく、データで成果を測り、宿泊税などの安定財源を持って地域の観光を経営する主体です。登録は3年ごとの更新制なので、看板として持つだけでは続きません。住民満足度が必須の指標になっており、観光客を増やすことと暮らしとの両立を数字で説明する役割も求められています。
よくある質問
DMOとは何の略ですか?
Destination Management/Marketing Organization の略です。日本では観光庁が「観光地域づくり法人」と呼び、ガイドラインの要件を満たす法人を登録しています。
登録DMOはいくつありますか?
2026年9月1日時点で322法人(広域連携DMO10・都道府県DMO38・地域DMO274)です。ほかに候補DMOが21法人あります。
観光協会とDMOは何が違いますか?
DMOは観光庁のガイドラインに沿って、観光地経営戦略の策定、旅行消費額や住民満足度などのKPI設定、CMO・CFOの配置、安定財源の確保などが求められ、3年ごとに更新審査を受けます。京都市観光協会や下呂温泉観光協会のように、観光協会が要件を満たして登録DMOになっている例もあります。
DMOは法律で決まった組織ですか?
いいえ。DMOを定める法律はなく、観光庁長官が定めるガイドラインに基づく登録制度です(2015年11月開始)。
DMOの財源には何がありますか?
ガイドラインは、宿泊税・入湯税などを原資とした自治体からの支出、自治体施設の指定管理などの受託収益、会費、収益事業などを安定財源の例に挙げ、補助金に過度に頼らないよう求めています。
新しくDMOとして登録するにはどうすればよいですか?
登録申請の前に12か月以上の活動実績が必要で、マネジメント区域の自治体の代表者による合意書も添えます。2026年度の新規登録(第21弾)は2026年7月31日に受付を締め切り、2027年4月1日に登録予定です。
登録が取り消されることはありますか?
あります。3年ごとの更新要件を満たさない場合、年度報告を出さない場合、指導後も要件を満たさない場合などは取り消されます。
関連するしくみ
出典
- 観光庁「観光地域づくり法人(DMO)」 (2026-09-08)
- 観光庁「観光地域づくり法人(DMO)とは」 (2026-10-18)
- 観光庁「観光地域づくり法人(DMO)の登録制度」 (2026-10-18)
- 観光庁「観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドライン」(2026年7月24日一部改正) (2026-07-24)
- 観光庁「ガイドライン一部改正のお知らせ(令和8年8月1日施行)」 (2026-07-24)
- 観光庁「DMOの登録一覧を更新しました(令和8年9月1日現在)」 (2026-09-08)
- 観光庁「DMOの登録一覧を更新しました(令和8年4月1日現在)」 (2026-04-01)
- 観光庁「第17弾登録DMO・第27弾候補DMOの登録及び登録取消」 (2024-09-24)
- 観光庁「登録DMO第13弾・候補DMO第23弾の登録」 (2022-10-28)
- 観光庁「登録DMO第21弾の募集」 (2026-10-18)
- 観光庁「『先駆的DMO』3法人を選定」 (2023-03-28)
- 観光庁「令和6年度『先駆的DMO』採択結果」 (2024-10-18)
- 観光庁「令和7年度『先駆的DMO』選定結果」 (2025-10-16)
- 観光庁「令和4年度選定『先駆的DMO』取組紹介」 (2026-04-03)
- 観光庁「観光地域づくり法人(DMO)等に対する支援」 (2026-10-18)
- 総務省「北海道倶知安町『宿泊税』の変更」 (2025-07-31)
- 内閣府「まち・ひと・しごと創生総合戦略のKPIの検証について」 (2019-01-28)
- 【報道】トラベルボイス 観光庁、日本版DMOを『登録DMO』に名称変更(2020年) (2020-04-16)
- 【報道】トラベルボイス 観光庁、日本版DMO候補法人の登録制度を開設(2015年) (2015-11-25)