スキーム解説
ワーケーションとは
ワーケーションとは、仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた造語で、テレワーク等を使い、普段の職場や自宅とは違う場所で仕事をしつつ自分の時間も過ごすことです(観光庁)。
最終更新: 2026-10-17|別名: ブレジャー・業務型ワーケーション・休暇型ワーケーション・デジタルノマド・第2のふるさとづくり
観光庁は近年、ワーケーションを「第2のふるさとづくりプロジェクト」(令和8年度のモデル実証公募 2026年3月3日)や「デジタルノマド誘客促進事業」(2025年採択)に引き継いでいます。2024年4月からは在留資格「特定活動(デジタルノマド)」の運用も始まり、海外のリモートワーカーも受け入れ対象になりました。
制度の根拠
| 根拠 | ワーケーションを直接定める法律はありません。観光庁・環境省の予算事業や普及施策として行われています。 |
|---|---|
| 所管 | 観光庁(「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー)、環境省(国立・国定公園、温泉地でのワーケーション) |
| 開始 | 環境省は令和2年度補正予算(案)で「国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進」600百万円を計上し、2020年4月に執行団体を公募しました。 |
| 類型(観光庁) | 余暇が主体の「休暇型」、仕事が主体の「業務型」、出張先で滞在を延ばして余暇を楽しむ「ブレジャー」(業務型) |
| 観光庁の近年の事業 | 令和5年度 企業ニーズに即したワーケーション推進実証事業/2024年7月3日 子育て世代向け業務型ワーケーション モデル3事業を選定/令和7年度 デジタルノマド誘客促進事業/第2のふるさとづくりプロジェクト |
| 関連制度 | 在留資格「特定活動(デジタルノマド)」(法務省告示第53号・第54号)。滞在6か月以内(更新不可)、年収1,000万円以上、対象国・地域の国籍、医療保険などが要件。2024年4月から運用。 |
最新の数字
| 企業経営者のワーケーション認知・導入 | 認知 66.0%・導入 5.3%・導入検討 12.7%(600サンプル) 2021年11月調査時点(観光庁 2022年3月公表) |出典 |
|---|---|
| 導入企業のタイプ | 福利厚生型 46.9%が最多 2021年11月調査時点(観光庁 2022年3月公表) |出典 |
| 関係人口のうち就労型(テレワーク) | 約145万人 2023年調査時点(国土交通省 2025年6月27日公表) |出典 |
| ワーケーション自治体協議会(WAJ) | 208自治体(1道23県184市町村)。2019年11月の設立時は65自治体 2022年9月6日時点(和歌山県公表) |出典 |
| 環境省 令和2年度補正予算(案) | 600百万円(国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進) 令和2年度(環境省公表) |出典 |
代表的な事例
- 和歌山県白浜町(白浜町・和歌山県) 2004
町営「ITビジネスオフィス」(2004年1月開設)にセールスフォース・ドットコムなどが進出し、第2・第3オフィスへ広がりました。和歌山県の出張型ワーケーションは、平成29年度〜令和元年度の3年間で104社910名が実施しています(報道)。 出典 - 全国(ワーケーション自治体協議会(WAJ)) 2019
和歌山県と長野県の呼びかけで、2019年11月に65自治体で始まった全国組織です。2022年9月時点で208自治体が参加しています。 出典 - 北海道北見市・静岡県下田市・新潟県妙高市・長崎県五島市など(各受入地域) 2021
観光庁の「ワーケーション&ブレジャー」サイトに受入地域の事例として掲載されています(2021年2月のインタビュー調査)。北見市はアイエンター/ズープスジャパンと連携しています。 出典
地域の土地・宿・運営者にとっての意味
宿にとっては、平日の連泊需要(業務型・ブレジャー)や海外デジタルノマドの受け皿になります。Wi-Fiや個室ワークスペースなどの滞在環境は、観光庁・環境省の補助メニューの対象になってきました。一度の滞在で終わらせず「第2のふるさと」型のリピート設計にすると、ふるさと住民登録や二地域居住にもつながります。
このスキームに関わる仲間
OTERA STAY/JINJA STAY
受け継がれてきたお寺や神社での宿泊・滞在・体験のブランド。宿坊の OTERA STAY を全国で展開し、2025年に神社版の JINJA STAY を始めた。
MIDORI.so
フリーランス・小さな会社・大きな組織の社員のためのコワーキングコミュニティ。BASH の会場 Nagatacho GRiD と同じ建物にある。
Otell
仕事環境の整ったホテル・旅館を平日お得に予約できるサービス。温泉地の平日の稼働を、働く人の滞在で埋める。
よくある質問
ワーケーションの公式な定義は?
観光庁は「テレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすこと」としています。
どれくらい普及していますか?
観光庁の2021年11月の調査では、企業経営者の認知は66.0%、導入は5.3%でした。認知は高いものの、実施は限られています。
法律や補助金はありますか?
専用の法律はありません。観光庁・環境省の予算事業(モデル実証や環境整備の補助)として行われ、現在は「第2のふるさとづくり」や「デジタルノマド誘客」などの事業に引き継がれています。
海外のリモートワーカーは来られますか?
2024年春に在留資格「特定活動(デジタルノマド)」ができ、年収1,000万円以上などの要件を満たせば最長6か月滞在できます。
二地域居住や関係人口とどう関係しますか?
ワーケーションは来訪のきっかけです。繰り返し通えば関係人口(就労型・テレワーク)に、拠点を持てば二地域居住につながります(国交省の類型をもとにした本稿の整理)。
関連するスキーム
出典
- 観光庁「ワーケーション&ブレジャー」 (2026-10-17)
- 観光庁「新たな旅のスタイル」に関する実態調査報告書 (2022-03-01)
- 観光庁 受入地域事例 (2021-02-01)
- 観光庁 白浜町事例 (2021-02-01)
- 観光庁 第2のふるさとづくりプロジェクト (2026-03-03)
- 観光庁 公募・採択結果(デジタルノマド誘客) (2025-06-27)
- 環境省 令和2年度補正予算 ワーケーション推進 (2020-04-01)
- 環境省 執行団体公募 (2020-04-01)
- 環境省 令和8年度 国立公園等資源整備事業費補助金 公募 (2026-10-17)
- 出入国在留管理庁 在留資格「特定活動」(デジタルノマド) (2024-03-31)
- 内閣府 白浜町ITビジネスオフィス資料 (2021-02-08)
- 和歌山県 ワーケーション自治体協議会資料 (2022-09-06)
- 【報道】トラベルボイス デジタルノマド在留資格 (2024-04-01)