スキーム解説
二地域居住とは
二地域居住とは、主な生活拠点とは別の地域にも生活拠点を持つ暮らし方で、2024年11月施行の改正広域的地域活性化基盤整備法により、国が市町村の計画を軸に後押ししています。
最終更新: 2026-10-17|別名: 二拠点生活・二拠点居住・デュアルライフ・特定居住・二地域居住促進法・改正広域法・特定居住支援法人・二地域居住等支援法人
二地域居住を後押しする改正広域的地域活性化基盤整備法(通称: 二地域居住促進法)は、2024年5月15日に成立し、2024年11月1日に施行されました。国土交通省の資料(2026年6月)では、全国二地域居住等促進官民連携プラットフォームの会員が1,305団体(2026年4月30日時点)に増えています。地方創生2.0基本構想(2025年6月13日閣議決定)は、二地域居住を関係人口の中でも「特に地域への関与が強い類型」と位置づけています。
制度の根拠
| 根拠 | 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律(通称: 二地域居住促進法)。法律上の用語は「特定居住」。 |
|---|---|
| 所管 | 国土交通省 国土政策局(地方政策課) |
| 開始 | 2024年5月15日成立、2024年11月1日施行 |
| 特定居住促進計画 | 都道府県が二地域居住を含む「広域的地域活性化基盤整備計画」を作ると、市町村は「特定居住促進計画」を作れます(住居専用地域でコワーキングを開きやすくする等の特例あり)。 |
| 特定居住支援法人 | 市町村長がNPO・民間企業などを「特定居住支援法人」(通称: 二地域居住等支援法人)に指定できます。 |
| 特定居住促進協議会 | 市町村・県・支援法人・住民・不動産会社・交通事業者・商工会・農協などで組織できます。 |
| KPI | 施行後5年間で特定居住促進計画 累計600件、支援法人の指定 累計600法人 |
| 財政措置 | 総務省の特別交付税措置(措置率0.5、コーディネーターは専任500万円/人・兼任40万円/人)。国交省の関連予算は令和7年度補正 600百万円、令和8年度当初 39百万円。 |
最新の数字
| 都道府県の広域的地域活性化基盤整備計画 | 20計画 2025年12月31日時点(国土交通省 2026年2月公表) |出典 |
|---|---|
| 市町村の特定居住促進計画 | 28計画 2025年12月31日時点(国土交通省 2026年2月公表) |出典 |
| 特定居住支援法人 | 51法人 2025年12月31日時点(国土交通省 2026年2月公表) |出典 |
| 官民連携プラットフォーム会員 | 1,305団体(地方公共団体801、関係団体・民間504)・共同代表6者 2026年4月30日時点(国土交通省 2026年6月公表) |出典 |
| 官民連携プラットフォーム会員(前回) | 1,211団体(地方公共団体783、民間等428) 2025年12月31日時点(国土交通省 2026年2月公表) |出典 |
| 二地域居住等への関心 | 約3割(20歳代の地方移住への関心は約半数、関心層44.8%) 国交省資料中の調査グラフ(国土交通省 2026年2月公表) |出典 |
| 施行後5年間のKPI | 特定居住促進計画 累計600件・支援法人 累計600法人 2026年2月時点(国土交通省公表) |出典 |
| 国交省の関連予算 | 令和7年度補正 600百万円・令和8年度当初 39百万円 2026年6月時点(国土交通省公表) |出典 |
| 先導的取組の採択 | 37件(報道)(先導的プロジェクト実装事業5件、特定居住支援法人モデル構築実証調査22件、地域生活圏形成リーディング事業10件) 2026年6月末時点(トラベルボイス 2026年7月21日報道) |出典 |
代表的な事例
- 北海道厚真町(厚真町) 2025
2025年3月24日に特定居住促進計画を策定した全国でも早い例です。2025年2月25日に(株)Another works・(株)さとゆめ・ミーツ(株)の3社を特定居住支援法人に指定しました。 出典 - 長野県塩尻市(塩尻市) 2025
2025年3月27日に特定居住促進計画を策定し、2025年4月14日に(特非)MEGURU・(一財)塩尻市振興公社・(株)しおじり街元気カンパニーを支援法人に指定しました。 出典 - 新潟県佐渡市(佐渡市) 2025
2025年5月16日に特定居住促進計画を策定。支援法人に(一社)佐渡共生推進機構、(株)Another works・(株)ダイブ、ADDressを運営する(株)アドレス(2025年10月7日)を指定しました。 出典 - 北海道上士幌町・和歌山県田辺市/白浜町・香川県三豊市(日本航空(株)) 2025
交通事業者の日本航空が特定居住支援法人に指定されている例です。 出典 - 全国(約300拠点)(株式会社アドレス(ADDress)) 2025
月額定額で全国の家に住める多拠点生活サービスで、拠点は国内外に約300か所(2025年11月30日時点)、連携している自治体は25です(2024年8月時点)。佐渡市・秋田県大館市では特定居住支援法人に指定されています。 出典
地域の土地・宿・運営者にとっての意味
空き家・宿・コワーキングを市町村の「特定居住促進計画」に位置づけてもらうと、改修や整備の補助、用途規制の特例が使いやすくなります。民間の運営者は「特定居住支援法人」の指定を受けると、市町村に計画の作成・変更を提案でき、国の実証予算の対象にもなります。
このスキームに関わる仲間
よくある質問
二地域居住の法律はいつからですか?
改正広域的地域活性化基盤整備法(二地域居住促進法)が2024年5月15日に成立し、2024年11月1日に施行されました。
二地域居住とはどんな暮らし方ですか?
主な生活拠点とは別の地域にも、ホテル等を含む生活拠点を持つ暮らし方です。国交省の定義では、都市と地方の間だけでなく、地方と別の地方との二地域・多拠点居住も含みます。
住民票は2つ持てますか?
持てません。住民票は1か所だけです。国土審議会の専門委員会は、二地域居住者の納税や住民票などのあり方について「更なる議論が必要」としています(2026年6月 国交省資料)。
住民税などの税金はどうなりますか?
二地域居住者の納税のあり方は、住民票のあり方とあわせて、国土審議会の専門委員会で「更なる議論が必要」とされている段階です(2026年6月 国交省資料)。
個人への補助金はありますか? 費用は?
国から個人への恒常的な直接補助は確認できていません。交通費や滞在費などの個人負担の軽減は国交省で「引き続き検討が必要」とされ、移動費の定額化・低廉化などの実証が行われています。
特定居住支援法人とは何ですか?
二地域居住者に住まい・仕事・コミュニティを提供する法人を、市町村長が指定する制度です。NPO・不動産会社・交通会社などが対象で、2025年12月31日時点で51法人です。
自治体は何をすればよいですか?
都道府県計画を前提に、特定居住促進計画を作ります。計画に位置づけると、空き家改修やコワーキング整備の補助、社会資本整備総合交付金などで重点的な支援を受けやすくなります。
地域にとってのメリットは何ですか?
二地域居住は関係人口の中でも特に地域への関与が強い類型とされ、地域の担い手や空き家の活用につながります。計画に位置づけた事業は国の支援を受けやすくなります。
どんな事例がありますか?
北海道厚真町・長野県塩尻市・新潟県佐渡市が2025年に特定居住促進計画を策定し、民間企業を支援法人に指定しています。多拠点生活サービスのADDressや日本航空も支援法人に指定されています。
関連するスキーム
出典
- 国土交通省 国土政策局「二地域居住等の促進について」(R7.12.31時点) (2026-02-01)
- 国土交通省 国土政策局「関係人口に関する国土交通省の取組について」(R8.4.30時点) (2026-06-03)
- 国土交通省「地方振興:二地域居住の推進」 (2026-10-17)
- 国土交通省 広活法運用ガイドライン (2026-10-17)
- 国土交通省 特定居住支援法人の指定等の手引き (2026-10-17)
- 国土交通省 報道発表(広域法改正案 閣議決定) (2026-10-17)
- 国土交通省 全国二地域居住等促進協議会 設立 (2021-03-09)
- 全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム (2026-10-17)
- 内閣官房 地方創生2.0基本構想 (2025-06-13)
- 株式会社アドレス 7周年リリース(PR TIMES) (2025-11-30)
- 株式会社アドレス 会社概要 (2026-10-17)
- 【報道】トラベルボイス 国交省 先導事業37件採択 (2026-07-21)