地域づくりのしくみ
地域活性化起業人(旧 地域おこし企業人)とは

地域活性化起業人(旧 地域おこし企業人)とは、地域活性化起業人とは、都市部の企業の社員などが6か月から3年のあいだ地方の市町村で働き、企業で培った専門知識やノウハウを地域の課題解決に生かす総務省の制度で、受け入れる市町村の経費には特別交付税が措置されます。
最終更新: 2026-10-18|別名: 地域活性化起業人・地域おこし企業人・企業人材派遣制度・副業型地域活性化起業人・シニア型地域活性化起業人・企業派遣型・起業人
総務省が2026年4月24日に公表した令和7年度の実績では、地域活性化起業人は企業派遣型904人・副業型299人・シニア型12人の合計1,215人となり、前年度から344人増えて過去最高になりました。受入自治体は538団体です。2024年度に副業型、2025年度にシニア型(企業を退職した人)が対象に加わり、会社に籍を置いたまま、あるいは退職後に地域に関わる入口が広がっています。
制度の根拠
| 根拠 | 地域活性化起業人制度推進要綱(令和3年3月30日 総行応第78号制定、令和8年3月23日 総行応第68号まで一部改正)。法律ではなく、総務省の要綱と特別交付税措置による制度です。 |
|---|---|
| 所管 | 総務省(地域力創造グループ 地域自立応援課) |
| 開始 | 2014年度(平成26年度)に「地域おこし企業人」として開始。2021年度(令和3年度)に制度を刷新し、現在の「地域活性化起業人」になりました。 |
| 3つの型 | 企業派遣型(企業と自治体が協定を結び社員を派遣)、副業型(2024年度から。企業に勤める個人が自治体と契約)、シニア型(2025年度から。企業を退職した個人が自治体と契約) |
| 活動の要件 | 企業派遣型は受入自治体の開庁日の半分以上を区域内で勤務。副業型・シニア型は月4日以上かつ月20時間以上の勤務、受入自治体での滞在が月1日以上など。期間は6か月以上3年以内です。 |
| 対象となる人と自治体 | 三大都市圏の企業、または三大都市圏外の指定都市・中核市・県庁所在市の企業に勤める人が対象。受け入れられるのは三大都市圏外の市町村と、三大都市圏内の条件不利地域などを含む市町村です(総務省資料では対象1,433市町村)。 |
| 特別交付税措置 | 企業派遣型は受入期間中の経費(派遣元企業への負担金など)について1人年610万円が上限。副業型・シニア型は報償費等と旅費がそれぞれ1人100万円まで(合計200万円)。このほか受入準備経費(上限100万円×0.5)と、起業人が発案した事業の経費(1人100万円×0.5)も対象です。 |
最新の数字
| 地域活性化起業人の人数(全体) | 1,215人(前年度比344人増、過去最高) 令和7年度(2026年4月24日公表) |出典 |
|---|---|
| 型別の人数 | 企業派遣型904人、副業型299人、シニア型12人 令和7年度(2026年4月24日公表) |出典 |
| 受入自治体数 | 538団体(企業派遣型477団体、副業型148団体、シニア型10団体。重複あり) 令和7年度(2026年4月24日公表) |出典 |
| 企業派遣型の活用企業数 | 475社(前年度比85社増) 令和7年度(2026年4月24日公表) |出典 |
| 人数の推移 | 令和3年度395人 → 令和4年度618人 → 令和5年度779人 → 令和6年度871人 → 令和7年度1,215人 令和3〜7年度(2026年4月24日公表) |出典 |
| 従事分野の上位 | DX(自治体DX・地域社会DX)293人(24%)、観光振興・DMO設立等253人(21%)、地域経済活性化・雇用対策等135人(11%) 令和7年度(2026年4月24日公表) |出典 |
| 年齢構成 | 40〜49歳26.5%、30〜39歳24.6%、50〜59歳23.4%、20〜29歳14.6%、60歳以上10.9% 令和7年度(2026年4月24日公表) |出典 |
代表的な事例
- 山形県山形市(山形市 × 富士通Japan株式会社(企業派遣型)) 2025
MaaS「らくのる」を仙台市のMaaSと連携させ、共通チケットの販売などを実施しました。主要なバス停にデジタルサイネージを設置し、バスの接近情報や市のイベント情報を表示しています。 出典 - 山口県阿武町(阿武町 × 株式会社FoundingBase(企業派遣型)) 2025
小中学校での授業見学や聞き取りで学習の実態を調べ、1か月間町営塾を試験的に運営しました。その結果を踏まえ、2026年4月に町営塾を正式に開設しました。 出典 - 長野県白馬村(白馬村(副業型)) 2025
ふるさと納税の講演などで村を訪れていた人が副業型で応募しました。地域課題の解決に参加・応援する関係人口のファンコミュニティを企画し、2025年度は立ち上げサポーターの募集や試験的な交流イベントを行いました。 出典 - 香川県高松市(高松市(シニア型)) 2025
県出身で首都圏企業を定年退職した人が、シニア型で関わっています。関係人口と地域住民によるワークショップを開き、地元木材を使ったビールの商品化が予定されています。 出典 - 熊本県多良木町(多良木町(副業型)) 2025
町とつながりのある企業の紹介で、副業型の起業人が町の公式Instagramの開設(2025年11月)を担当しました。運用手順を文書にして、任期後も町が続けられる体制にしています。 出典
地域の土地・宿・運営者にとっての意味
小さな市町村でも、DXや観光、販路開拓など役場の中にいない専門人材を、国の財政措置を受けながら期限つきで迎えられる仕組みです。副業型・シニア型ができたことで、都市部で働き続ける人や退職した人が、移住しなくても地域の仕事に継続して関われるようになりました。一方で、成果を任期後も地域に残せるかは、受入側の業務設計しだいです。
よくある質問
地域活性化起業人と地域おこし協力隊はどう違いますか?
地域おこし協力隊は都市部から住民票を移して地域で活動する人の制度です。地域活性化起業人は企業に籍を置いたまま(企業派遣型・副業型)または退職後(シニア型)に、専門性を生かして市町村の業務に携わる制度です。
「地域おこし企業人」と同じ制度ですか?
はい。2014年度に「地域おこし企業人」として始まり、2021年度に制度を刷新して「地域活性化起業人」になりました。
何人くらいが活動していますか?
令和7年度は1,215人(企業派遣型904人、副業型299人、シニア型12人)で、過去最高です。受入自治体は538団体です(総務省 2026年4月24日公表)。
副業で参加できますか?
2024年度から副業型ができました。企業に勤める個人が自治体と直接契約し、月4日以上かつ月20時間以上、地域の業務に従事します。受入自治体での滞在は月1日以上が必要です。
自治体の負担はどのくらいですか?
受入自治体が負担した経費に特別交付税が措置されます。上限は企業派遣型で1人年610万円、副業型・シニア型で報償費等・旅費それぞれ1人100万円です。
どの自治体でも受け入れられますか?
三大都市圏外の市町村と、三大都市圏内でも過疎などの条件不利地域を含む市町村などが対象です。指定都市・中核市・県庁所在市にある企業から派遣する場合など、受け入れに制限がかかる組み合わせもあります。
どうやって受入先や人材を探しますか?
総務省が「地域活性化起業人マッチングプラットフォーム」を設けており、自治体・企業・個人がそれぞれ募集やソリューションを登録して応募できます。オンラインのマッチングイベントも毎年開かれています。
関連するしくみ
出典
- 総務省「地域活性化起業人」制度ページ (2026-10-18)
- 総務省「令和7年度 地域活性化起業人の状況等」 (2026-04-24)
- 総務省「地域活性化起業人制度推進要綱」(令和8年3月23日一部改正) (2026-03-23)
- 総務省 地域活性化起業人 パンフレット(令和8年4月発行) (2026-04-01)
- 内閣府 地方創生セミナー資料(地域活性化起業人の創設) (2021-01-13)